小脳出血|突然の頭痛とめまいに注意!突然の呼吸抑制
みなさんこんにちはマッスルdrです。
高血圧の方は注意が必要な脳出血の一つである小脳出血について詳しく解説します。
小脳出血が起こると、めまいや吐き気が強く、ふらふらして歩けなくなります。お酒も飲んでいる患者さんではお酒の影響と間違われることもあります。
しかし、出血の量が多いと呼吸が止まったり、意識障害になったりすることもあるので注意が必要です。
- 小脳出血の特徴
呼吸が止まったり、誤嚥性肺炎をきたしたり
特徴的な症状(めまいやふらつき)
眼振も認める - 治療法
血圧の治療、止血剤、脳浮腫予防
手術治療 - 予防法
- まとめ
その他の脳出血についても記事にしてますので、合わせてご覧ください。
○小脳出血の特徴
小脳の怖いポイントは小脳出血により脳ヘルニアと呼ばれる状態が起こり、小脳の前面にある脳幹を圧迫することです。脳幹は呼吸中枢や飲み込み(嚥下)の中枢もあります。そのため障害されることで突然呼吸が止まったり、吐いたものが肺に流れ込み肺炎をおこします。(誤嚥性肺炎)
呼吸が止まり、人工呼吸器が必要になる場合や肺炎で亡くなる患者さんを多く認めます。
小脳は、体のバランスを保ったり、発語を調節したりする働きがあります。
- 体のバランスが保てずにふらふらする
- 真っ直ぐに歩けなくなる
- 距離感が掴めずにものが掴めなくなる
- 言葉の抑揚が調節できずにうまく喋れなくなる などです。
また、眼振と呼ばれる、目が左右に揺れるような症状を認めることがあります。目の周りが周り、吐き気が強くなります。
○治療法
・血圧の治療
出血の原因は高血圧によるものがほとんどであり、血圧が高いと出血がますます増えるため、血圧の薬を使ってすぐに下げます。
・止血剤の投与
アドナやトランサミンと呼ばれる止血剤を点滴で投与します。
*トランサミンは風邪をひいた時の咽頭痛などにも飲み薬で使うことがあります。
・脳浮腫の予防
グリセオールと呼ばれる頭蓋内浮腫治療薬を使います。
糖が多く含まれることで、静脈内に投与すると血液の浸透圧が上昇し、血液と脳組織浸透圧差が大きくなります。そのため、脳組織内の水が血中に移行することにより脳浮腫が軽減し、頭蓋内圧が下降します。
・手術治療
小脳の出血が3cmを超えると脳幹への影響が強くなるため、緊急の手術治療が必要になる場合があります。
また、脳室と呼ばれる脳が浮かんでいるプールの水(髄液)の流れ道が、出血の影響で圧迫されることがあります。
髄液がせき止められることで、水頭症になります。この状態が続くと意識障害となり、命を失う可能性があるため緊急で手術が必要になります。
・手術の方法は、内視鏡手術と開頭手術の2つがあります。近年では、内視鏡手術の方が傷が小さく、患者さんへの影響も少ないため増えてきています。しかし、血腫の量が多い場合や脳の腫れが重症な場合は開頭による減圧術も必要になる場合があります。
○予防法
脳出血のほとんどの原因は高血圧であるため、日頃から血圧が高い方は、注意が必要です。
収縮期血圧が135mmHgを超えると治療が必要になります。
最初から薬に頼る治療はあまりおすすめできません。まずは塩分を控えて、メタボの方は適度な運動をおすすめします。
また、動脈硬化も血管を弱くし、出血のリスクにもなるので、健康診断でコレステロールが高い人は食事に注意が必要です。
*以前は私も血圧が高く、健康診断で注意されていましたが、ダイエットをきっかけに正常値まで下げることができました。ぜひ、興味がある方は参考にしてみてください。リンクタップで解説記事を見れます。↓
【コラム】脳外科医の本気のダイエット!ホルモンと代謝を考えた、代謝が落ちやすい30代におすすめダイエット法。ダイエットは”根性”ではなく”化学”で行う。 | https://docotormuscle.com/post-488/
【コラム】脳外科医の本気のダイエット!筋トレと食事制限 | https://docotormuscle.com/post-145/
- 小脳出血では出血により、小脳の前面にある脳幹を圧迫することがあります。
- 脳幹が障害されると、呼吸が止まったり、意識障害をきたしたりします。
- めまいや吐き気、ふらふらして歩けないなどの書状をきたします。
- 血圧を下げる治療や止血剤、脳浮腫をとる薬を使います。
- 出血が多いと手術が必要になります。
その他の病気に関してもまとめていますので目次から選択してご覧ください。
目次ページ | https://docotormuscle.com/page-211/
*最新のガイドラインや書籍を参考に記事を作成し、最新の内容にアップデートしますが、医療は日々進歩しているため、中には間違った内容が含まれる場合があります。
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