3人に1人は命を落とすくも膜下出血!脳卒中の王様
みなさんこんにちはマッスルDrです。
今回は脳卒中の1つであるくも膜下出血について詳しく解説します。
くも膜下出血は「3分の1の病気」と呼ばれており、1/3の患者さんは命を落とします。
また、手術の後も合併症に注意が必要です。
- くも膜下出血について
症状 - 原因
- 治療
開頭手術
血管内治療 - 合併症
- まとめ
○くも膜下出血について
脳は3種類の膜に包まれています。内側から「軟膜・くも膜・硬膜」です。
くも膜下出血は動脈瘤などが破裂する事で、くも膜下腔に出血が溜まり、症状をきたします。
- 激しい頭痛
- 吐き気・嘔吐
- 意識障害
くも膜下出血の頭痛は「今までに経験した事がないほどの頭痛」と表現されます。
出血が増えることで頭蓋内圧が上昇し、それに伴い吐き気や嘔吐する患者さんがいます。また、出血が多く重症の場合は、意識を失います。
くも膜下出血の3人に1人は昏睡状態や意識不明のまま、命を落とします。
治療を行っても麻痺や言葉が出ない、飲み込みができないなどの症状が残る人も多くいます。
○くも膜下出血の原因
くも膜下出血は脳血管のこぶ(脳動脈瘤)や血管の異常(脳動静脈奇形)が破裂することが原因です。
多くは脳動脈瘤の破裂です。脳動脈瘤は2〜4%の人で認め、高齢者になる程多いとされています。動脈瘤の発生する原因は解明されていませんが、高血圧や喫煙、動脈硬化、炎症、血流の異常、遺伝子の以上などが原因と考えられています。
○くも膜下出血の治療
くも膜下出血の治療は、再出血の予防と血腫除去が目的です。
開頭手術で血腫を取り除き、破裂した動脈瘤をクリップする方法(開頭クリッピング術)とカテーテルで動脈瘤にコイル状のワイヤーを詰めることで出血を予防する2つの方法があります。(コイル塞栓術)
手術以外の治療としては、血圧を下げる治療や脳の浮腫をとる治療などを行います。
○くも膜下出血の合併症
・再出血
くも膜下出血になってから最も注意すべき合併症の1つです。再出血をきたすと90%の患者さんは命を落とします。
破裂した血管には”かさぶた”ができることで出血を止めています。しかし、かさぶたはもろく、血圧が高いと再出血のリスクが高くなります。
病院では早期に血圧と痛みにを抑える点滴を開始し、手術で再出血を予防します。
・血管攣縮(スパズム)
出血の影響で血管が一時的に細くなり、広範囲な脳梗塞をきたします。出血をきたしてから3日から2週間以内で特に注意が必要です。
・水頭症
治療が終わった後にも、水頭症に注意が必要です。脳は脳脊髄液と呼ばれる液体に浮かんでいます。脳脊髄液は1日に500mlほどが産生されますが、くも膜下出血をきたすと、吸収障害をきたし脳が圧迫されることで、認知機能の低下や歩行障害などを認めます。
- くも膜下出血をきたすと3人に1人は命を落とします。
- 原因の多くは動脈瘤の破裂で、血圧が高い人は特に注意が必要です。
- 症状は「今までに経験したことのない頭痛」です。
- 治療は開頭クリッピング術とコイル塞栓術です。
- 合併症は再出血と血管攣縮、水頭症に注意が必要です。
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