子供のてんかんと大人のてんかん。車の運転は注意

みなさんこんにちはマッスルDrです。

みなさんの周りにもてんかんの患者さんがいるのではないでしょうか。
てんかんは子供の病気と思う方も多いかもしれませんが、近年では高齢者のてんかん患者さんも増えています。
今回はてんかんについて説明したいと思います。


てんかんについて

てんかんは脳の障害によりてんかん性発作を引き起こすことで、大脳の神経細胞が過剰に興奮することが原因です。普段大脳は規則正しいリズムで電気的活動を行なっていますが、てんかん発作の時は突然の激しい電気的活動が見られるます。

異常な活動により
・ひきつけ、けいれん
・まひやしゃべれなくなる
・ぼーっとして反応しない
・意識がないままで動き回る
   など様々な症状を示します。

てんかんのある人は、日本には約100万人いると言われており、100人に1人の割合(1%)でいます。また、一生のうちに1回から数回の発作を起こす場合も含めるとさらに多くなり人口の5%ほどと言われています。

てんかんの原因としては生まれた時の仮死状態や低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、外傷などの原因がある場合と原因がはっきりと分からない場合もあります。

このようなてんかんの原因が遺伝する場合稀です。しかし、てんかんのある患者さんの子供では2〜3倍ほど発症しやすいとされており、てんかんの素因が遺伝すると考えられています。


子供のてんかん

子供の場合では小児欠神てんかんローランドてんかんと呼ばれる大人になるにつれて良くなるてんかんもあります。

・小児欠神経てんかん
 6〜7歳くらいの女の子におおく、1日に数回ぼーっとして意識がなくなります。けいれんしたり、倒れたりはせずに突然話が途切れたり、動作が止まったりします。

・良性ローランドてんかん
 2歳から13歳くらいまでに発症し特に7歳くらいが多いです。寝始めると顔が痙けいれんしたり、よだれが多量に出たりします。

その他にもたくさんの種類がありますが、小児のうちに起こるてんかんで大人になるに連れて良くなるものもたくさんあります。また、痙攣を伴い重症化する場合もあります。

*子供の頃に良く起こる、発熱時の熱性けいれんや怒って泣いた時の憤怒けいれん、下痢の時のけいれんなどはてんかんとは別物です。


大人のてんかん

てんかんは子供の病気だとと思っていた方も多いと思います。しかし世界的に見ると2000年頃からは高齢者の方が小児よりも数が多くなってきています。

高齢者のてんかんの原因
・脳梗塞や脳出血などの脳卒中の後遺症
・脳腫瘍
・認知症
・頭の怪我
などです。

また、加齢による影響も考えられており、半分ほどはCT検査やMRI検査で異常を認めない場合があります。

症状はけいれんが目立たないことがおおい
・ぼーっとする
・もうろう、無反応
・不注意になる
・奇妙な行動をとる
  などです。
数時間から数日間続くこともあり、認知症と間違えられることもしばしばあります。

*しかし、心筋梗塞や不整脈、脳卒中などで意識を失っている場合もあるため、初めての症状の場合は医療機関を受診してください。


検査・治療

てんかんの検査としては電気的活動を調べると脳波検査が有効です。また、原因が隠れている場合があるため、MRI検査などで確認することも重要です。

治療法としては薬を飲む場合があります。しかし子供の場合は1度きりなら場合や良くなる場合があるため、1回目では薬は出しません。脳波検査で異常がある場合や2回以上起こった場合に薬を使うか相談します。


その他の注意点(運転・妊婦さんの薬)

てんかんを起こした患者さんでは運転免許の取得時に一定の条件があります。
・最後の発作から2年経っていること
・体調不良や薬を飲み忘れた時は運転を控える

*大型免許、2種は5年以上薬を飲まずに抑制されていることが必要です。

女性の場合は妊娠の可能性がある時飲んではいけない薬や血中濃度を測定する必要がある薬がいくつかあります。また、てんかんにより妊娠中に転倒してしまう場合があるため注意も必要です。

*一部の薬は経口避妊薬との相互作用もあるため主治医の先生に相談をしてください。

その他の病気に関してもまとめていますので目次から選択してご覧ください。
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*最新のガイドラインや書籍を参考に記事を作成し、最新の内容にアップデートしますが、医療は日々進歩しているため、中には間違った内容が含まれる場合があります。

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