スポーツ外傷!スポーツ中に頭を強く打った時

みなさんこんにちはマッスルDrです。

みなさんもスポーツをされることは多いと思います。最近はラグビーや格闘技なども注目されていますが、強く頭を打った時に注意するポイントを解説したいと思います。


○脳震盪
海外の報告ではスポーツによる脳震盪は、スポーツ外傷の中で5〜9%に起こると報告されており、アメフトやボクシング、アイスホッケー、バスケ、サッカーなどのコンタクトスポーツに多いとされています。
日本では柔道などで脳震盪を起こしている可能性があると報告されています。

脳震盪とは、頭部に直接もしくは伝播する間接的な衝撃により、脳組織が障害されることです。

症状としては、頭痛、嘔気、だるさ、眠気などがあります。10%で意識を失うことがあります。
80%の患者さんは10日以内に自然に回復しますが、中には数ヶ月程度持続することもあります。

意識消失や記憶障害をきたしていない場合でも、頭痛が持続する場合はCT検査やMRI検査で出血や脳挫傷の評価が必要です。必ず医療機関を受診してください。


○スポーツ外傷による脳血管障害
重症の場合は血管にまで衝撃が伝わり、血管が裂けることがあります。出血することで脳や脳の周りに血腫ができて重症では命に関わります。

柔道などでは後頭部の打撲による静脈損傷で硬膜下血腫をきたすことがあります。

出血は来さず、血管が裂ける事で動脈解離と呼ばれる状態になり、血管の中に血がたまることがあります。その場合は脳梗塞になることもあり、目の前が暗くなる場合や一時的な麻痺が出る場合もあります。


○脳損傷がある場合
CT検査やMRI検査で硬膜下血腫などを認めた場合は、症状が回復し、検査でも改善を認めた場合でも、ボクシングや空手、柔道などの格闘技やラグビーやアメフトなどのコンタクトスポーツへの復帰は原則として認めないことになっています。

また、日常生活への後遺症が残ることもあります。


○セカンドインパクトに注意、復帰する時のポイント
脳損傷がない、軽度の脳震盪であった場合でも、数日から数週間以内に二度目の頭部外傷を受けた場合は致命的な脳腫脹をきたし、約50%は死にいたるとされています。

そのため、スポーツ復帰には段階を経て、最速でも1週間は必要とされています。
特に激しいコンタクトスポーツでは復帰まで時間を要する場合があります。
ドクターやコーチと相談しながら復帰を進めてください。

スポーツ中に頭を強く打つことがあります。10%ほどの人で意識消失を認めます。意識消失がない場合でも頭痛が続く場合などは必ず検査が必要です。脳震盪を起こした時は最低でも1週間はコンタクトスポーツを行ってはいけません。二度目の外傷で50%が死亡する致命的な脳腫脹をきたす場合があります。

今回はスポーツ中の頭部外傷について説明しまいした。軽い脳震盪であっても、1週間程度は必ず注意が必要です。意識消失がない場合でも頭痛がある場合などは医療機関で詳しい検査を受けてください。

*最新のガイドラインや書籍を参考に記事を作成し、最新の内容にアップデートしますが、医療は日々進歩しているため、中には間違った内容が含まれる場合があります。

不明な点などあれば、お近くの医療機関にお問い合わせください。