脳梗塞の治療!血液サラサラの種類と効果・出血のリスク、カテーテル治療法

みなさんこんにちはマッスルdrです。

前回は脳梗塞の原因について解説しました。記事:血流をせき止める血栓!!血栓が出来る原因

今回は引き続き脳梗塞の治療について解説したいと思います。脳梗塞が起こり一度脳細胞が障害を受けるとその部分は再生させることは現在の医療では困難です。そのため、脳梗塞は症状が悪くならないように早期に治療を開始します。
また、リハビリの開始と再発予防を行うことが重要です。


急性期治療 

血栓溶解療法(rt-PA静注療法):前回紹介した脳梗塞のでき方とは関係なく、脳梗塞に対して使用する強力な薬です。そのため血液がサラサラになり出血のリスクが高いため使用に一部制限もあります。

日本では2005年から導入され、現在は脳梗塞発症から4.5時間以内であれば使用可能です。また、投与開始が早ければ早いほど治療効果は高いです。

効果が強力なため、血液がサラサラになり出血のリスクも高くなります。5〜20%で出血が起こると報告されており、薬を使わない場合と比べると3〜10倍の出血率です。そのため、大きな怪我や手術をしている方、脳梗塞や出血の病気を最近起こしている方は使用することができません。その他にも採血検査の異常なども使用不可能になることがあるため注意が必要です。

脳血栓回収療法(カテーテル治療法):上記のrt-PAの使用に関わらず8時間以内で有れば治療可能です。こちらの治療も発症から早ければ早いほど効果は高くなります。カテーテルという細い管を血管の中に通していき直接詰まっている血栓を取り除きますが、小さな血管が詰まっている時は限界もあります。また、血流が突然再開することで出血するリスクもあるため一部で制限があります。

日本では2010年から正式に開始された最新の治療法であり、現在もカテーテルの種類や機械が開発されており今後も進歩していく治療法です。

抗血小板・抗凝固療法(血液サラサラ):rt-PA(アルテプラーゼ)とは別にもいくつかの薬があり、こちらも48時間以内に開始することが進められています。例)アスピリン、クロピドグレル、アルガトロバン、など

開頭手術:脳梗塞が起こると脳細胞が障害を受けます。障害を受けた脳細胞は一時的に腫れて正常な脳を圧迫することがあります。より広範囲な脳梗塞をきたすと呼吸が突然止まることもあるため、救命目的に手術を行う必要がある場合があります。

※急性期からのリハビリに関してはリハビリの先生方が専門ですので別途記事を参考にしてください。


再発予防 

薬物療法:脳梗塞は2週間程度で症状が安定するため、その後の再発予防が大事になります。急性期の抗血小板・抗凝固療法を継続して再発予防を行います・脳梗塞の種類によって内服する薬剤を選択します。
例)脳血栓性:アスピリンやクロピドグレルなどの抗血小板薬 
  脳塞栓性:心房細動に対してワーファリンやDOACなどの抗凝固薬

高血圧や脂質異常症をコントロールすることも脳梗塞の再発の予防になります。

外科的手術:(内頸動脈狭窄症)内頸動脈と呼ばれる首や大きな動脈が動脈硬化により細くなることで脳梗塞を起こす場合があります。このような場合は動脈硬化を手術で取り除いたり、カテーテル治療によりステントと呼ばれる金属で広げる方法があります。
また、脳の太い血管が詰まっている場合はバイパス手術により頭皮の血管とつなげる手術もあります。


まとめ

4.5時間以内のrtーPA静注による血栓溶解療法
8時間以内のカテーテルによる血栓回収療法
*早ければ早いほど効果は高いため、可能な限り早期のMRI検査で診断し、治療を開始する必要があります。出血のリスクも高いため治療できない場合もあります。

・急性期から継続して再発予防で血液サラサラの飲み薬を継続する必要があります。
 首の血管が狭い場合(内頸動脈狭窄症)は、手術やステント留置が必要になります。

・脳梗塞は1分1秒を争う病気ですので、あらかじめ症状が起きた時に救急車を呼ぶことや近くの治療可能な病院の調べておくことをお勧めします。

その他の病気に関してもまとめていますので目次から選択してご覧ください。目次ページ | https://docotormuscle.com/page-211/

*最新のガイドラインや書籍を参考に記事を作成し、最新の内容にアップデートしますが、医療は日々進歩しているため、中には間違った内容が含まれる場合があります。