脳出血の原因と種類!
みなさんこんにちはマッスルdrです。
今回は脳外科の患者さんで脳梗塞に続いて多い脳出血について詳しく解説します。
脳出血は脳の血管が破れることで脳の中に出血し、血の塊である血腫を作ります。
血腫が脳を圧迫することで、頭痛や吐き気、麻痺、言葉の出にくさ(失語)をきたします。
脳出血は脳梗塞よりも数は少なく脳卒中の10%ほどですが、脳出血でなくなる患者さんは少なくありません。
○脳出血の原因
・脳出血の原因は高血圧
脳出血のほとんどが高血圧が原因です。
長期の間、高血圧の状態でいると細い動脈に負担がかかり動脈の壁が徐々に痛んできます。最終的に血管が破綻して出血を起こします。
高血圧は脳出血以外にも心筋梗塞や脳梗塞、くも膜下出血の原因にもなるので注意が必要です。
日本人は、味噌や漬物、醤油などの塩分の多いものを食べることが多いため昔は脳出血の患者さんがとても多かったです。しかし、最近では健康診断などで高血圧が指摘され、予防的に治療を始めることが増えたため、脳出血の患者さんは減少しました。
そのため高血圧のみでの脳出血の患者さんは減りましたが、そのほかの原因やリスクでの患者さんが増えています。
アミロイドアンギオパチーや抗血小板・抗凝固薬によるものです。
・アミロイドアンギオパチー
アミロイドアンギオパチーは脳血管にアミロイド蛋白と呼ばれる異常蛋白が沈着することで、血管壁が脆くなるアミロイド血管症です。高齢者に多く、アミロイド蛋白は認知症の原因にもなっています。
アミロイド血管症は高血圧がない場合でも、脳出血を繰り返すとても厄介な病気です。現時点では効果的な治療法は確率されていません。
・抗血小板・抗凝固薬
現在、高齢者の脳出血は徐々に増えています。その原因の一つが抗血小板薬や抗凝固薬を飲んでいる患者さんが増えていることです。抗血小板薬や抗凝固薬により血液がサラサラになり出血のリスクが上昇します。
抗血小板薬や抗凝固薬を飲む患者さんが増えている原因の一つが、生活習慣病による心筋梗塞や脳梗塞の増加です。食事が欧米化することで塩分摂取量は減少していますが、糖尿病や脂質異常症の患者が増え、それに伴う心筋梗塞、心不全、不整脈、脳梗塞が増加しています。
抗血小板薬や抗凝固薬を飲んでいる患者さんは脳出血が重症化するため注意が必要です。
○脳出血の症状
脳出血は突然起こるため、症状も突然の麻痺や喋りにくさ、頭痛、嘔気を認めます。頭痛や嘔気は血腫ができることで頭蓋内圧が亢進することが原因です。また、出血でできた血腫により脳が障害されて起きる、麻痺や喋りにくさなどの局所症状が起こります。
脳出血が起こりやすい場所は主に
被殻(40%)、視床(30%)、小脳(10%)、橋(10%)、皮質下(10%)です。それぞれの部分により症状が異なります。
・被殻:脳出血の部位としては最も多く、半身麻痺や痺れ、重症では意識障害を認めます。
・視床:被殻と比較的場所が近いため、同じように半身麻痺を認めます。また、麻痺とともに痛みを感じることもあります。
・小脳:突然のめまいを認めます。また、嘔気を認めることも多いです。
・橋:意識障害や呼吸の異常を伴うことが多く、重症になる場合が多いです。また、重症の麻痺を認める場合もあります。
・皮質下:場所によって症状が異なりますが、喋りにくさや視野が半分悪くなる(半盲)、麻痺などを認めます。
- 脳出血の原因は高血圧
- アミロイド蛋白による、認知症や脳出血も高齢者に多い
- 抗血小板薬や抗凝固薬は重症化のリスク
- 脳出血は被殻、視床、小脳などに多い
- 突然の頭痛、麻痺やめまいなどの症状を認める
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