交通事故・転倒で頭を強く打った時の救急対応

みなさんこんにちはマッスルDrです。

前回スポーツでの頭部外傷について解説しました。引き続き今回は交通事故転倒して頭を強く打った時の注意点を説明したいと思います。

*全世界で年間500万人が外傷により亡くなっています。15歳〜29歳の若者の死亡原因の1位にもなっています。


○頭部外傷

頭を打った時、その衝撃で脳への障害が起こります。
・脳挫傷
・急性硬膜外血腫
・急性硬膜下血腫
・外傷性脳内出血
・外傷性くも膜下出血
・びまん性軸索損傷
・びまん性脳腫脹

脳挫傷に関しては前回のスポーツ外傷の記事で詳しく解説してますので、ご覧ください。
記事:スポーツ外傷!スポーツ中に頭を強く打った時

急性硬膜下血腫や硬膜外血腫、脳出血などは衝撃により脳の血管が裂けることが原因で、頭の中に血腫ができます。血腫が脳を圧迫することで、意識障害麻痺などさまざまな症状をきたします。重症の場合は緊急手術による脳の圧迫を取る必要があります。

激しい事故の場合高齢者で血液サラサラのお薬を飲んでいる場合は重症になる場合が多いため慎重に治療を進める必要があります。

びまん性軸索損傷や脳腫脹は脳細胞の障害により生じます。脳の細胞同士は交通があり、たくさんの神経繊維があります。外傷の衝撃により神経繊維がちぎれてしまい、損傷します。脳細胞や神経細胞の障害により意識が戻らない場合や呼吸が止まってしまう場合があります。


○病院受診のポイント

交通事故や転倒による頭部外傷では、必ず病院を受診してください。意識がハッキリしている場合でも、60歳以上の高齢者や頭痛・吐き気がある、記憶がない時がある、痙攣があった場合はct検査を行う必要があります。

ct検査で出血が認めない場合でも、後から出血する場合があります。また、脳細胞・神経細胞の損傷はct検査では見つからない場合があるので入院での検査・治療が必要な時があります。

特に注意が必要な症状もいくつかあります。復視(モノが二重に見える)、首の痛み、普段と性格が違う、攻撃的、様子がおかしい時は一度自宅に帰った後でももう一度病院を受診してください。

高齢者の場合は1〜2ヶ月後に慢性硬膜下血腫をきたす場合もあります。別の記事で解説してますのでご覧ください。
記事:治る認知症、突然忘れっぽくなったら一度病院に


○まとめ

交通事故や転倒て頭を強く打った時に、頭痛や吐き気、痙攣、麻痺などの症状がある場合や記憶がおかしい怒りっぽい・話が通じないなど様子がおかしい時は必ず病院でct検査が必要です。

血液サラサラの薬を飲んでいる高齢の患者さんも多いため、軽い脳震盪や切り傷だけであっても、後で重症化することがあるため注意が必要です。

*最新のガイドラインや書籍を参考に記事を作成し、最新の内容にアップデートしますが、医療は日々進歩しているため、中には間違った内容が含まれる場合があります。

不明な点などあれば、お近くの医療機関にお問い合わせください。